【過去記事】コロナ禍での固定資産税等の軽減・猶予を考えてみましょう
中小企業者*に該当し、売上が「一定の時期」に減少(過去記事を参照)してさらに「一定の要件」を満たすと、
令和3年度所有の事業用家屋・償却資産の固定資産税等
が、
2分の1(減少率30%)またはゼロ(減少率50%)
になると過去記事で投稿しました。
そのための具体的な手続きが、先日公表されたのでとりあげます。
*中小企業者とは、
常時使用する従業員が1,000人以下であり、
法人であれば、資本金が1億円以下であるもの
(大企業の子会社を除きます。)が対象です。
国の給付金・支援金制度を活用した生き延びるための道
ここ数か月、コロナ禍において企業が生き延びていくための様々な給付、支援の支給が様々な方に対してなされました。
それは不動産を貸し付けて対価を受けることを業とする方(貸主)においても同様です。
貸主は、不動産を店舗や倉庫、事業所として借主へ賃貸します。賃貸借の契約を結び対価として賃料を収受します。
そして、コロナ禍の状況で借主の業績が悪化して、借主より家賃の減額交渉を受けたとします。そこで、貸主は「コロナが収まる一定の期間家賃を減額する」といったような方策をとることを考えなければいけません。
不動産そのものがウィルスに感染することはないのですが、不動産を貸している相手が接客業やサービス業を営んでいる場合には、貸主も間接的にその影響を受けることになります。
貸主は、行政より厚い給付や支援を受けなければ、固定資産税の納付や借入金の返済などが滞ってしまいうことになります。
そこで、行政より給付や支援を受けるために必要なこととして、家賃の減額する期間と減額する規模(減少率)(一定の時期に一定の要件)を検討する必要があるわけです。
借主、貸主とも共存共栄でなくてはいけないわけですから。
【過去記事】「持続化給付金は課税対象に」の理由は
【過去記事】自動計算により「家賃支援給付金」はいくら給付されるか算定しましょう(中小法人等向け)
【過去記事】自動計算により「家賃支援給付金」はいくら給付されるか算定しましょう(個人事業者向け)
一定の時期とは
今回とりあげた冒頭の「一定の時期」とは、令和2年2月~10月です。しかも、連続する3ケ月間の減少率ということですからまさしくこの今(令和2年8月9日投稿)、最後の連続する残りの3ケ月(8月、9月、10月)の初月にさしかかったところです。
今まで経過した各月の事業収入を自分でおさらいし、今後10月までの数か月について事業収入の予測を立ててみてください。
その結果、
令和2年(2月から10月までの連続するいずれかの3ケ月間)の売上高
が、
令和1年での同じ期間の売上高
より30%減少していれば固定資産税等が半分に、50%減少していればゼロになる対象者となります。
持続化給付金や家賃支援給付金の支給対象となっている売上減少要件である
「いずれか1ケ月の売上高の減少割合が50%以上」の要件
は、ありません。
一定の要件とは
一定の要件とは、次のAとBです。
A.
認定経営革新等支援機関等*に確認を受けてもらうこと
確認を受けてもらう事項は、以下のとおりです。
1.事業収入割合(会計帳簿などより確認)
2.軽減または免除の対象資産(事業専用割合がわかるように)
確認を受けてもらうための様式の例(新しいPDFが開きます)
(こちらは様式例ですので、実際は地方自治体が独自で定めるものを使用します。)
*認定経営革新等支援機関等とは、
認定経営革新等支援機関は、当該認定を受けた税理士、公認会計士、中小企業診断士、金融機関などです。
等に含まれるものとして、当該認定を受けていない税理士、公認会計士、中小企業診断士と、
商工会議所、商工会などです(令和2年7月16日時点)
B.
令和3年1月31日までに、対象資産が所在する市町村(東京23区においては都税)に、Aにより確認を受けた申告書を提出すること
【編集後記】
当ブログが5,000PVを超えました。「水滴石穿」でこれからもやり遂げます。
(「水滴石穿」は娘の吹奏楽部の部訓からの引用です(^^ゞ)