住宅を購入する際親から援助をしてもらうときに

2020年03月27日金
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住宅購入資金の援助

 人生において一番の高い買い物である住宅。(買うばかりが住宅ではありませんが)
 住宅購入の際に受ける資金援助の方法として大きく分けて次の3つの方法があります。
Ⅰ.資金の贈与を受ける
Ⅱ.住宅を親との共有持分にする
Ⅲ.親から資金を借りて返済していく

Ⅰ.資金の贈与を受ける

 住宅を建てるとき、両親または祖父母が資金の援助をしてくれるという話をよく耳にします。その資金の援助を受けるタイミングや贈与を受ける金額を計画的に練らないと本来は税金がかからなくていいところに、思わぬ税金がかかってしまうということがあります。
 そこで、次に示した住宅購入計画を例にとって
援助を受ける時期
贈与を受ける適正な金額について
考えてみます。

 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税(国税庁タックスアンサー(よくある税の質問))のあらましや詳細な適用要件はこちら

【 住宅購入計画】

 Xさんは、住宅を建築するため敷地を探しており、好みの土地が見つかったため早速購入を決意し、7百万円で土地売買契約を締結しました。

 Xさんの両親は、土地の購入資金を援助してあげようとその土地売買代金にあててねと1千万円を Xさんに贈与しました。Xさんは贈与を受けた金銭で土地の売買代金を決済しました。

 土地売買の代金決済が無事に済み、その後、住宅メーカーとの間で 2千3百万円の住宅(省エネ等住宅・消費税8%)を建築することに決め、請負契約を締結しました。その住宅の建築資金の準備として2千3百万円全額のローン契約を申込み、その後ローン審査も通過しました。

 新居に入居して順調に支払いが進んできた3か月後、Xさん夫婦は待望の子(祖父母からは孫)を授かりました。そこで祖父母は、これから育児にお金がかかるであろうという親心から、資金面で協力したいとXさん夫婦に申し出て、住宅ローンの返済の一部の2百万円を肩代わりしてあげることにしました。

 ここで、示した例にはふたつばかり落とし穴があり、結論から言うと
土地購入に充てられなかった3百万円
住宅ローン返済資金に充てられた2百万円
これら資金援助額合計5百万円は、住宅取得等資金の非課税特例の規定の要件から外れることになります。

 両親が資金援助してくれた金額は合計で1千2百万円です。
資金援助を受けられる金額が1千2百万円と決まっているのなら、 せっかくなのでこの限度額いっぱいの全額について、先に述べた贈与税の非課税制度を利用した方がいいでしょう。
 1千2百万円を土地と住宅の頭金にして、住宅の残額についてローンを組むという方法が非課税規定を最大限に生かすいうことになります。

 この非課税規定を利用することの前提として、なかでも重要なのは、
下記 ① と ② です。(適用のための要件を詳しく知りたい方は、こちら


① 贈与を受けた全額を住宅の購入にすべて充てていること
② 資金援助を受けるなら住宅の敷地や住宅の代金の決済前であること

 これら二つの前提については特に、細心の注意を払って、資金援助を受けることにしましょう。
 適用のための要件について断片的な捉え方をすると物事の流れのなかでの要件が見えづらくなるので、そのようなことにならないよう上記 ① と ② に注意を払いながら意識し、あなたがこの制度にあてはまるような資金計画を練るようにしましょう。

 そして、贈与を受けた年分の翌年3月15日までに贈与税の確定申告書を提出することを忘れずに。(非課税規定を受けるためには申告書の提出をしなければなりません。)

 このほかにも、資金援助の方法として下記の2つが考えられます。

Ⅱ.住宅を親との共有持分にする

Ⅲ.親から資金を借りて返済していく

 これらは、また別の機会にお話しします。