いよいよ〇〇ペイを使って所得税(国税)が支払えるように~デジタル給与との相性は

いよいよ〇〇ペイを使って所得税(国税)が支払えるように~デジタル給与との相性は

2022年11月06日日

【ポイント】
・手のひらで納税が完結できるようになります。
・あなたが良く使う〇〇ペイは対応しているのでしょうか。
・アプリを使って何の税金が支払えるのでしょうか。
・デジタル給与解禁でスマホアプリ納付との相性は。

<令和4年11月8日更新>
国税庁ホームページで、リーフレット「国税の納付はスマホでスマートに」が公開されました。

リーフレット
国税庁HPリーフレット 国税の納付はスマホでスマートに
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スマホアプリ納付(国税)とは

国税庁HPに「スマホアプリ納付の利用開始について」という記事がUPされました(令和4年10月21日)。

この記事は、
「スマートフォンアプリによる国税*1の納税決済サービスが令和4年12月1日からいよいよスタートします」
という内容のものです。 *1国税・・・所得税、法人税、消費税、源泉所得税など

ここでいうスマホアプリ納付とは、スマートフォン決済専用のWEBサイトから、自分が利用する〇〇ペイ(Pay払い)を選択して納付する手続きのことです。

すでに県市民税の一部では〇〇ペイによるスマホからの納税が可能でしたが、これが国税においても納税できるようになります。 

固定資産税をLINEPay(ラインペイ)で支払うことのメリットとその支払方法
【支払いの際メリットを感じる場面】税金支払のとき、銀行やコンビニで待ちたくない支払のためのお金を引き出しに銀行へ行く時間がもったいない銀行やコンビニATMからお…
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実はこのスマホアプリ納付、当初は令和4年1月から運用開始の予定でした。

それが約1年延びて今年の12月に。

導入利用開始まですんなりとはいかなかったようです。

・・・

令和3年度税制改正大綱(令和2年12月10日)で、納税環境整備の一環として、「スマホを使用した決済サービスによる納付手段の創設」と、明記され具体化されていました。

実はこの改正で、令和4年1月4日からサービス利用を開始することが決まっていたことになります。

しかしこの頃、アプリシステムを構築する事業者の間では、開発のためのICT人材を確保することが思うようにできませんでした。

それは、コロナ禍により世の中の様々な分野がデジタル化への投資を加速したことで、人材が分散したことが大きく影響していると報じられました。

こうした人材不足の事態に直面し、約1年の導入延期を余儀なくされてしまいました。

そしてその後、十分な開発期間を確保したことで満を持して、今回の利用開始を迎えることになります。

簡単で誰にとっても扱いやすい、セキュリティ面でも問題ないアプリであることが望まれます。


キャッシュレス納付手段は、さらに多様に

キャッシュレス納付とは、現金(紙幣・硬貨)を使用しない非対面の納付方法を意味します。

キャッシュレス納付の真の目的は「自宅や会社にいながらにして納付が完結できる」ということです。

現在、キャッシュレス納付として次にあげるようなものが利用できます。(令和4年11月5日現在)

・口座振替納付
・ダイレクト納付
・クレジットカード納付
・ペイジーを利用した納付(ネットバンキング・モバイルバンキング・ATMを利用した納付)

今後キャッシュレス納付に、冒頭でも述べたアプリからの〇〇ペイ支払いの選択肢が増えることになります。

これまでも自動車税、固定資産税などの地方税でスマホによる決済が可能でした。
長岡市:市税を納める方法(スマートフォン決済アプリ)

それがいよいよ国税(所得税や法人税、消費税など)の場でもスマホによる決済が可能となります。

ほかの決済手段についての記事はこちら。

「キャッシュレス納付」のメリットデメリット~ 令和の時代におけるスマートな納税のしかたとは
【ポイント】・スマートな納税とはどんな納税のしかたでしょうか?・対面型納付は何に手間がかかって、非対面型(キャッシュレス)納付は何がスマートなのでしょうか?・メ…
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以下、スマホアプリ納付(国税)について現時点(令和4年11月5日現在)で判明していることを以下にまとめてみます。

専用サイトへアクセスし納付情報を入力する

手続の流れは、令和4年12月1日に国税庁ホームページで掲載予定。


利用にあたっての注意事項

・全ての税目で利用可能。
・1回の利用金額の上限は30万円(決済アプリ事業者による制限がされる場合あり)。
・残高による決済方法のみ利用可能。
・決済手数料が発生しない。
・領収書は発行されない(アプリの支払い履歴から確認)。


利用できる決済アプリ事業者

PayPay d払い auPAY
LINEPay メルペイ amazonpay


“デジタル給与”、”ギグエコノミー”との相性は

ここ最近、デジタル給与ということばをよく耳にします。

このデジタル給与(払い)とは、会社が給与をPayPayや楽天Payなどの「〇〇ペイ」で支払うことをいいます。

スマホ決済アプリにお金が入れば、わざわざ銀行に行ってお金を引き出すことなく、そのまま日常生活で買い物の支払いに使えます。

自分のお金を引き出すのにATMに並んだり、平日の昼間にお金をおろす時間を作らなければいけなかったり、そこに手数料をかける必要がなくなるわけです。

日常の買い物に使う分だけ、給与をデジタルでもらえるなら、私は賛成です。

ただ、給与を「〇〇ペイ」で受け取るためには、今の法律を改正しなければいけません。

現行法での給与の受け取りは、現金での受け取りに加え銀行など金融機関への振込みに限られているからです。

この改正についてはこれといって大きな異論がないことから、先日、厚労省の諮問機関はこのデジタル給与払いのための省令改正案を了承しました。

ただ、会社員が実際に受け取ることができるようになるのはもう少し先のようです。

日本経済新聞【デジタル給与、23年4月解禁 厚生労働省】2022年10月26日記事より

インターネットやスマホアプリの発達により「ギグエコノミー」という新しいワークスタイルが世の中に広がりつつあります。

ギグワーカーは、取引先と合意のうえで、報酬をデジタルマネーで受け取ることが少なくありません。

そういうことであれば、スマホアプリから納税することの相性とも良いと考えられます。

ごく一部のことを除きデジタルマネーで日常生活が送れていることを考えれば、給与や報酬をデジタルマネーで受け取り、スマホで確定申告、〇〇ペイでそのまま納税ってことが身近になってきました。

今まで以上に、申告・納税が時間帯や場所を問わず、手軽に済ませられるようになります。

ただ、便利だからといってもその便利さの陰に危険は潜むもの・・・。フィッシング詐欺なるものには注意を払いましょう。

国税庁ホームページ「スマホアプリ納付の利用開始について」


【編集後記】
気がつけば、まもなく立冬。
先日、さつま芋をおすそ分けでいただきました。
よく洗いレンジで蒸らすこと数分。
手をかけずとも、しっとりねっとり甘い焼き芋ができあがりました。
みんなでほくほくのうちに美味しくいただきました。