【ポイント】
2月1日更新 ダウンロードファイルに対応
Excelを用いて給付額を自動判定するシートを作ってみました
給付額算定式から事業復活支援金の給付額をイメージしてみましょう
どの月を基準期間の対象月として選択すればいいのか目安をつかみます
事業復活支援金の真価はいかほどか
2022年1月25日、事業復活支援金の申請要領が公開されました。
そして、31日からは申請の受付が開始されました。
・申請受付ウェブサイト
・事業復活支援金の申請要領(中小法人等向け)
・事業復活支援金の申請要領(個人事業者向け)
この事業復活支援金は、「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」が、昨年11月19日の閣議決定を受け、国会で予算が成立されたことにより、執行されたものです。
そして、ここへきてようやく申請受付開始のアナウンスがあり、申請要領の公表へこぎつけた感じです。
事業復活リーフレット「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」では過去に例をみない予算規模 = 36兆円もの経済対策となっています。
このうち、この事業復活支援金には約2兆8千億円もの予算が振り向けられています。
そこで、昨年年初まで中小事業者と個人事業主420万もの方々に届けられた「持続化給付金(中小法人最大200万円・個人事業者100万円)」と比較してみることにします。
名称 | 予算(当初) | 実行(確定) | 給付件数 |
持続化給付金 | 2兆 3千億円 | 5兆 5千億円 | 420万 件 |
事業復活支援金 | 2兆 8千億円 | ? | ? |
この事業復活支援金、当初の予算額だけみれば、持続化給付金をしのぐほどになっています。
どれだけの数の人に給付し、どれだけの数の「事業」の「復活」の一部として役立てられるのか、これからいよいよ事業復活支援金の真価が問われようとしています。
この給付額の算式のほかに押さえるべき条件
給付額算式に目が行きがちですが、前提として、押さえておくべき条件があります。
事業継続意思のない法人(人)や、コロナの影響を受けていない法人(人)は、対象から外れます。
おもに、次のような条件です。
① 2022年1月時点において、
資本金等が10億円未満
または、
資本金等の定めがない場合は、常時使用する従業員数が2,000人以下
である法人です(申請要領P.15)。
② 2019年以前から事業を行っていて、基準期間内及び対象期間内に売上高があり、今後も事業の継続及び立て直しのための取り組みを実施する意思がある。
③ コロナウイルス感染症の拡大や長期化に伴う影響を大きく受け、かつ、自らの事業判断によらない売上高の減少があることが必要です(申請要領P.5)。
「対象月」と「基準月」の売上高の減少条件には、(基準月ー対象月)≧ 基準月×30%である必要があります(申請要領P.4)。
これらはいずれも、重要な条件です。
申請者の選択によりいくつかの条件を満たした基準月をもとに、申請することになります。
給付額の算定式は
事業復活支援金を申請するにあたっては、「ことば」の意味や言い回しを押さえておく必要があります。
給付金申請の際のこれらの「ことば」、このコロナ下の2年間ほどの間に、聞き慣れてきた「ことば」とはいえ、ぬかりなく全て押さえておきましょう。
以下は、申請要領(中小法人等向け)からの抜粋です。
たびたび用いられる「ことば」を確認しておきましょう。
給付額(上図最上段)は、
基準期間の売上高合計 ー 対象月の売上高 × 5
とあります。
給付額を最大限にするための方策を考えてみましょう。
この数式の答えを最大限にするために、基準期間の売上高合計は一番大きい数字を、
対象月の売上高は一番小さい数字を、
選んでくればいい、と誰もが考えることと思います。
しかし、申請要領を読み進めていくと、必ずしもそう単純ではないことに気づきます。
ですので、申請額に影響のある数値をすべて入力し、判定結果を自動で表示させるシートがあれば、振り返りができ検証可能です。
受付公式サイトで、シミュレーションできるとはいえ簡単なものを、ご自分でさっと作ってみることをおすすめします。
判定の手法(手順)
中小法人等向けを例にとり3月決算法人と仮定して、その判定手順をExcelから確認していきます。
(図A)
(図A)に、15個ある「基準期間」各月の売上高と、3個(A~C)ある「年間法人事業収入」をすべて埋めて並べます。
「年間法人事業収入」には、4月から翌3月までの売上高の合計を入れます。
「基準期間合計収入」には、11月から3月のセルを横ぐしで合計するSUM関数を入れておけばよいでしょう。
入力後の図Aは、下の図Bのようになります。
(図B)
基準期間の全ての売上高と、年間法人事業収入が埋まりました(上図B)。
次に、下の図Cのように対象月の売上高を入力します。
(図C)
判定に必要なすべての売上高の入力が終わりました。(投稿日現在、収入確定は12月までなので対象月1月から3月は未確定としています。)
ここで、どの基準期間の月の事業収入と比較するのが、最も給付額が多くなるのかを検証します。
この検証は、下の図D内の黄色セルで行います。
(図D)
セル選択1から「基準期間」を、セル選択2から「基準月」を選択します。
選択は、順番にしてもよし、あたりをつけながらするのもよいでしょう。
(デフォルトでは5億円超に〇がついてます。)
今回は、選択1で「基準期間2018年ー2019年」を、選択2で「12月」を選択することにします(下の図E黄色セル)。
(図E)
上の図E、選択1で「基準期間2018年ー2019年」を、選択2で「12月」を選択しました(上の図E黄色セル)。
関数が入っているので、上限額を〇印で自動判定してくれます(下の図拡大E)。
(図拡大E)
自動判定結果は、上の図E拡大図(1億円超5億円以下ー50%以上)のようになりました。
給付額の算定式も、自動で数値を表示させ、判定結果を下の図Fのように求めます。
(図F)
給付額算定式による値26,000千円は、上限額を超えるため、申請額は1,500千円になりました。
1月から3月においても、11月、12月同様この検証を繰り返し、一番高い申請額を得られた対象月により申請することを決定します。
Excelダウンロードはこちら
今回投稿で用いたExcelはこちらからダウンロードできます。
シミュレーション用なので 単位は千円 で設定しています。
本シミュレーション結果についての責任は負いかねます。
本シミュレーションに基づく申請は、ご自身による責任で行ってください。
最後に
第6波の収まりがまだ見とおせないいま、事業への影響の度合いも到底予測できる状態にありません。
申請の期限は5月31日ですから、給付を急ぐのでないのであれば、まだ時間的余裕があります。
それまでに、自分なりのおおよそのシミュレーションはしておきましょう。
【編集後記】
1月最終週の週末は最寄りのスキー場へ行ってきました。約1年ぶり。
3thの娘といっしょに2日連続(土・日)です。
1日目にできないことが2日目午前中にできて、
2日目の午前中にできなかったことが2日目の午後にできました。
ボーゲンも上達してきて、急な斜面も克服できるように。
やればできると思ったようで、モチベーションも上がってきたようです・・・。