コロナ対策「事業継続応援金」(新潟県)給付額を計算してみよう

コロナ対策「事業継続応援金」(新潟県)給付額を計算してみよう

【ポイント】
新型コロナ対策事業継続応援金の申請の受付が11月2日より開始しました。
申請要件を確認し実際に給付額を計算してみます。

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9月補正予算(新潟県)の成立

 新潟県は、10月16日に令和2年度一般会計補正予算を承認可決しました。この9月補正は予算規模880億円弱の大がかりなものとなっています。

 新型コロナウイルスへの対応として 医 療 提 供 体 制 の 強 化 を 図 る とともに、 感 染 拡 大 防 止 と 社 会 経 済 活 動 の 維 持 の 両 立 に加え、 産 業 の デ ジ タ ル・ト ラ ン ス フ ォ ー メ ー シ ョ ン(DX) の 推 進 など、ウィズ・コロナ、ポスト・コロナ社会を見据えた新潟県の活性化に向けての対策を追加し拡充しています。

 今回の補正予算がどのような規模感か前年度(令和元年度)予算概要と比較してみます。

新潟県予算概要 当年度と前年度との比較
                  (単位:億円)

  年度   令和元年度 令和2年度
当初予算12,59712,196
6月補正13721
906
7月専決138
9月補正19879
中途累計12,62914,840
12月補正180
2月補正248
△717
3月専決7
補正専決△82
年度予算合計12,266
新潟県予算概要の当年度と前年度との比較 新潟県総務管理部財政課資料より

 当初編成された予算額は前年度を下回っているものの、今回の9月補正では当年度当初予算から121.6%、前期の同時期と比較しても117.5%と大幅に予算額を積み増しています。

「令和2年度9月補正予算概要」 要約
新型コロナウイルスの感染拡大防止社会経済活動の維持のための事業の概要として5項目
1.感染拡大防止策と医療提供体制の整備
2.雇用の維持と事業の継続
3.次の段階としての官民を挙げた経済活動の回復
4.強靱な経済構造の構築
5.新型コロナウイルス感染症対策等応援基金

おもに、 2.雇用の維持と事業の継続 には次のように予算の大半が割かれています。
・コロナ対策セーフティネット資金融資枠の拡大のための資金に612億円
新型コロナウイルス対策事業継続応援金支給事業に61億円

 予算額のほとんどは新型コロナウイルス対策関連に費やされる予定です。一刻も早い完全なる終息を願うばかりです。

 

新型コロナ対策「事業継続応援金」の内容

新潟県HPより要点を抜粋

趣旨
「新型コロナウイルス感染症対応資金」を借り入れ
☆事業の継続に取り組んでいる中小企業者で9月以降においてもなお売上高の減少がやまない者に対して、
借り入れ4年目の利子相当額を応援金として支給するのが目的です。

申請受付期間及び申請方法
令和3年2月19日(金)(当日消印有効)までに、金融機関へ申請書類を提出すること。

支給要件
1.新型コロナウイルス感染症対応資金(県の制度融資・借入期間3年超・3年間無利子)を借りている者。
2.申請する月の直近の連続する2か月の売上高が、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて前年同月比でそれぞれの月で30%以上減少している者(下記【例示1】)などその他の者。

支給額
新型コロナウイルス感染症対応資金の4年目に支払いをする予定の利子相当額。
具体的には①借入期間4年以上の場合と②借入期間3年超4年未満の場合とに区分し、それぞれ(下記【例示2】)により計算し求められた金額を支給する。

 

応援金を具体的に計算してみよう

【例示1】11月中に申請する場合を例にとり、ケース1.2を確認してみます。
10月及び9月を直近の月として前年度の10月及び9月の売上高と比較します。

ケース1.要件を満たす場合

申請月の
直近連続月
(2か月)
令和2年
売上高
令和元年
売上高
減少率
10月500,000750,00033.33%
9月518,000740,00030.00%

比較する連続した2か月のいずれもが30%以上の減少である。

 

ケース2.要件を満たさない場合

申請月の
直近連続月
(2か月)
令和2年
売上高
令和元年
売上高
減少率
10月532,500750,00029.00%
9月370,000740,00050.00%

比較する連続した2か月のいずれもが30%以上減少していない
(連続する2か月平均が30%以上減少していても非該当)

【例示2】「新型コロナウイルス感染症対応資金」による融資を利率1%で受けました。

ケース1.借入期間4年以上の人
返済開始から37か月めの借入残高 2,000万円
返済開始から48か月めの借入残高 1,500万円

 (2,000万+1,500万)÷2×1%=17万5千円

ケース2.借入期間が3年を超え4年未満の人
返済開始から37か月めの借入残高 1,000万円
最終利払い月の借入残高 200万円
返済総回数 55回

 (1,000万+200万)÷2÷12か月×(55月ー48月)(4年めの借入月数)×1%=3万5千円

<借入残高を合計して2で割るという考え方は、財務分析で用いられる有利子負債利子率(有利子負債に対する支払利息の割合のこと)などの計算で用いられているように負債額の平均値を用いるのが一般的、簡便的とみられているからです>

以上のように、当然のことながら利息をたくさん払っているほど給付額は多くなります。

下記より申請書類を入手して具体的に作成してみましょう。
仮に繰上返済をしたとしても、応援金を返還する必要はないようです。
提出後、内容を審査され、適正と認められた場合にのみ書類の受理後12月上旬から順次支給されます。

新潟県新型コロナウイルス対策事業継続応援金支給事業(申請受付要領)
申請書類の様式のダウンロードができます

【編集後記】
「税理士試験免除決定通知書」が届きました。今年3月23日に申請をして10月30日免除決定です。嬉しいことには違いはないのですが、「ようやく・・・」というのが率直な気持ちです。