家賃支援給付金をいち早く受けるための方策はあるのか

家賃支援給付金をいち早く受けるための方策はあるのか

2020年11月29日日

【ポイント】
・これから家賃支援給付金の申請をする方
・すでに申請しており内容修正のメッセージが届いてこれから修正する方
・すでに内容の修正を完了し給付の振込みを待っている方
・家賃支援給付金が振り込まれた方
・その他家賃支援給付金について知りたい方
おもに以上のような方向けです。

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申請受付開始からこれまでの経過

7月14日にようやく申請の受付が開始され、同日申請要領が公表されました。
8月14日からは連続する3か月の売上高の合計額が前年比30%減少している方の申請受付が開始しました。
8月28日には創業者からの申請としても支援を拡充するよう申請要領が変更されました。
申請とその確認がスムーズに行えるように、現在まで何度か「申請フォーム」が見直され現在に至っています。

11月2日、経済産業省は「家賃支援給付金」の予算額のうち3,140億円を、「持続化給付金」の予算に充てることを発表しました。

11月22日現在
想定件数250万件 実際申請件数72万件(申請4社に対し1社が未受給)
予算額2兆242億円 給付額 未公表?

 

早く受給するのための秘訣はあるのか

 契約書を添付して送信するだけでは給付金の早期の受給はなかなか難しく、申請の要件を満たすためには数多くの証明書(賃貸借契約についての有効性を補完するための書類)などその他の関係書類を準備し添付する必要があります。

この証明書をうまく使いながら申請をすることが「再申請」と「修正のやりなおし」を何度もせずに受給することの秘訣です。

 そうした状況を考えると、家主との良好な関係が築けていない人、連絡が途絶えてしまっている人などの申請を躊躇している人は、管理会社などに協力してもらい適宜必要な証明書を作成し申請してほしいところです。

Q 各種様式を作成する場合、賃貸人(かしぬし)は自署に限られるのか。

自署のみならず記名押印であっても有効な書類と認められます、 また、賃貸人(かしぬし)のみならず、管理会社等の署名又は記名押印でも問題ございません。ただし、賃貸借契約書上、管理会社等であることが明らかであるものに限ります。

(経済産業省ミラサポplus

 

事務局が年末年始休業に入る前になんとか完了させ、年末をゆっくりと迎えたいものです。
家賃支援給付金ポータルサイト >年末年始休業についてのお知らせ~12月30日から1月3日

 

家賃支援給付金ポータルサイト >申請によくあるご質問>申請に必要な書類について
家賃支援給付金ポータルサイト >添付する書類についてのよくある不備について

 

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支援に関わったケースのうち3例について

身近に関わったケースのうち次の3例を紹介します。

【ケース1】
申請手続き送信回数 修正なし
10月17日 申請受付
11月12日 振込手続き完了
・賃貸借契約件数2件
・支援給付金想定額 約80万円
振込みまでの所要期間 27日

【ケース2】
申請手続き送信の回数 8回
7月24日 申請受付
11月26日 振込手続き完了
・賃貸借契約件数8件
・支援給付金想定額 約250万円
振込みまでの所要期間 126日

【ケース3】以下は私が関わってからの集計です。
申請手続き送信回数 修正が1回
9月14日 再申請
9月25日 振込手続き完了
・賃貸借契約件数1件
・支援給付金想定悪 約70万円
振込みまでの所要期間 ?日

当然ですが、賃貸借契約件数が多いほど確認箇所が多くなりチェック時間を要します。
ケース1、2、3の申請ともその賃貸借契約の全件について、証明書を添付することになりました。

これらのケースについて、証明書を必要とするに至った点など申請のための不備の指摘があった点も含めて列挙してみたいと思います。

・自動更新契約なので、更新の際の覚書をつくっていない
・当時の契約者はすでに亡くなり、現在の契約者は相続人である。
・契約書上の賃料の金額と直近の振込み金額が異なる
・通帳の名義が法人名ではなく屋号である(家賃振込みの控えに印字される名称が申請者と異なっている)。
・事業用定期借地権契約であり賃貸人との間には公正証書による書面しか残していない(賃貸借契約書がない)。
・賃貸借契約書に印鑑が押されていない
・土地の区画整理がされて契約書の地番と現在の地番が異なっている
・賃貸借契約期間が4月1日から3月31日までという前提で、申請するうえでの有効な契約期間は、3月31日及び申請日を含む連続した二つの契約期間になるので一つの契約につき二契約期間を証明書に記載をしないといけない(申請のガイダンスにはこのことへの言及がない)
・修正依頼の内容が客観性に欠ける(修正箇所の指摘事由が抽象的で読みとりづらい)。
・修正依頼の内容が具体的でない(実質的に異なる修正を申請者にさせるのにも関わらず修正依頼の文章はどちらも同様の「 定 型 文 」となっている)。
修正の依頼は何回にも及び、その都度小分けに送られてくる(例えば、初回の修正依頼では指摘されることがなかった別の賃貸借契約について、初回に修正依頼がないからといって2度目の修正依頼以降に修正依頼が送られてこないないわけではないということ)。

など、身近に関わった3例だけみてもこんなにもたくさんの事項があげられます。

 (むかしに契約したものであっても)当然かつ有効に成立している賃貸借契約書だけを添付するだけでは、「家賃支援給付金」の給付を受けるのは難しいでしょう。その有効に成立していることを証明するためのさまざまな証明書を添付することで、要件を満たした申請として認められ、給付金が振り込まれることになります。

 証明書を使用しなければ給付金は受け取れないことが数多くのケースで存在し、証明書を使用する申請は、決して例外ではないこともわかってもらえたと思います。なんとか証明書を活用して、この申請の難局を乗り越えてほしいと思います。

 そして、

件名:【重要】【家賃支援給付金】給付金の振込手続きが完了いたしました(申請番号○○○)

 これを目にするまで根気よく申請していきましょう。

 

【編集後記】
最近、イノシシの発見情報が絶えません。
子どもは学校から注意喚起のお便りを持たされました。そこにはこう書いてあります。
「イノシシは、犬と飼い主を敵と判断し、攻撃してくる可能性があります。犬の散歩をするときは、注意しましょう。」
こんなとき、犬が苦手な娘がこう言います。
「パパー、うち犬飼ってなくてよかったねー」と。